はじめての制御工学:第9講

内容

PID 制御について(ようやく制御工学っぽいワードが出てきましたね).

第8講であつかった比例制御は Propotion の頭文字を取って P 制御と呼ばれる.単純な制御構成だが有用である.設計パラメータとしては比例ゲイン K_pのみを要する.また,偏差としては現時点でのもののみを受け付ける.過去の偏差がどうであったかは影響しない.

一方,過去の偏差をも含めて制御するのが PI 制御である.PI 制御は,P 制御に I 制御(積分制御)を加えたものである.I 制御は偏差の過去値情報を含んでいる積分 \int_0^t e(\tau) d \tau を要求する.したがって,積分ゲインを K_iとすると,偏差と操作量との間に成り立つ関係(コントローラのはたらき)は以下のようになる(Laplace 変換の積分則を思い出す):

 U(s) = C(s)E(s) = (K_p + \frac{K_i}{s})E(s) = \frac{sK_p + K_i}{s}E(s)

最期に,将来の偏差も考慮に入れる PID 制御について考える.PID 制御は,PI 制御に D 制御(微分制御)を加えたものである.微分ゲインを K_dとすると,コントローラの入出力関係は以下のようになる:

 U(s) = C(s)E(s) = (K_p + \frac{K_i}{s} + sK_d)E(s) = \frac{s^2K_d + sK_p + K_i}{s}E(s)

こうして,PID 制御系の設計に際して扱うべきパラメータは K_p, K_i, K_dの3つであるとわかった.これらのパラメータは系の過渡応答と密接な関係を持っている.パラメータの変化にしたがって系の極がどのように動くかは,根軌跡と呼ばれる図を書いて考える.

感想

遅刻ですね.ごめんなさい.