内容
周波数特性について.
なる正弦波を入力した際の応答を周波数応答と呼ぶ.
周波数応答の特性(振幅,位相など)はボード線図を書くことで把握できる.また,応答の振幅がとなるとき,をゲイン(利得)と呼び,デシベルの単位で取り扱う.
感想
残すところあと3講のみですね.
周波数特性について.
なる正弦波を入力した際の応答を周波数応答と呼ぶ.
周波数応答の特性(振幅,位相など)はボード線図を書くことで把握できる.また,応答の振幅がとなるとき,をゲイン(利得)と呼び,デシベルの単位で取り扱う.
残すところあと3講のみですね.
フィードバック制御系の定常特性について.
第9講では,フィードバック系の過渡特性を望ましいものにするためのコントローラ調整について考えた.今回は定常特性について扱う.
重要な制御仕様としては,
などが挙げられる.偏差の定常値をそのまんま定常偏差と呼ぶ.
フィードバック系における偏差(の Laplace 変換)は,以下のような式で与えられる.
第一項が目標値に対する伝達関数,第二項が外乱に対する伝達関数となっている.
としてステップ関数を考えると,またはが[s = 0]に極を持っていれば前者の制御仕様を達成できる.また,としてステップ関数を考えると,系の内部安定性を確保しつつが[s = 0]に極を持つようにすれば,後者の制御仕様を達成できる.
一般の目標値および外乱に対してはもう少し弱いことしか言えない.定常偏差が0となるためには,がと同一の因子を持っていればよい.これは内部モデル原理と呼ばれる.
計算が多くて大変でした.
ところで,この節は毎回小学生並の短文を垂れ流す用途にしか使われていないので,撤廃してもよさそうな気がしてきました.
PID 制御について(ようやく制御工学っぽいワードが出てきましたね).
第8講であつかった比例制御は Propotion の頭文字を取って P 制御と呼ばれる.単純な制御構成だが有用である.設計パラメータとしては比例ゲインのみを要する.また,偏差としては現時点でのもののみを受け付ける.過去の偏差がどうであったかは影響しない.
一方,過去の偏差をも含めて制御するのが PI 制御である.PI 制御は,P 制御に I 制御(積分制御)を加えたものである.I 制御は偏差の過去値情報を含んでいる積分値を要求する.したがって,積分ゲインをとすると,偏差と操作量との間に成り立つ関係(コントローラのはたらき)は以下のようになる(Laplace 変換の積分則を思い出す):
最期に,将来の偏差も考慮に入れる PID 制御について考える.PID 制御は,PI 制御に D 制御(微分制御)を加えたものである.微分ゲインをとすると,コントローラの入出力関係は以下のようになる:
こうして,PID 制御系の設計に際して扱うべきパラメータはの3つであるとわかった.これらのパラメータは系の過渡応答と密接な関係を持っている.パラメータの変化にしたがって系の極がどのように動くかは,根軌跡と呼ばれる図を書いて考える.
遅刻ですね.ごめんなさい.
制御系の設計について.
コントローラを突っ込むことで制御を行う.特に重要なのは制御系全体を安定に保つことである.
コントローラとして をとると比例制御と呼ばれる構成になる.フィードフォワード制御系の場合,制御対象が安定ならパラメータを適切にとることで内部安定性を得られる.一方,外乱の影響を比例制御で抑え込むことは不可能である.
フィードバック制御系の場合は,制御対象が不安定でもコントローラのパラメータを適当に選べば内部安定性を得られる.また,外乱の影響を解消できる.
急にボリュームが増えたような気がします.この章をきちんと消化しておきたいので,明日も第8講の学習に充て,第9講を1回パスする予定です.理解が深まって新たな理解を得られれば記事を更新する可能性があります.
2次遅れ系の応答や特性について.
2次遅れ系の伝達関数の一般式は以下のようになる:
かかる伝達関数の極は,
となり,一般にこれは実数であるとは限らない.
さて,この系のインパルス応答を求めるには伝達関数を逆 Laplace 変換すればよい.式は省略するが,の値によってインパルス応答は3パターンに分類される.
このうち,不足減衰は振動的である.もう少し一般に言うと,極に虚部が存在する場合,応答は振動する.ステップ応答についても同一である.ただし,ステップ応答の場合,臨界減衰と過減衰ではオーバーシュートが発生しない.
極と応答の関係を詳しく見ると,以下のことがわかる.
システムが複数の極を持つ(ただし,いずれも実部は負とする)場合,もっとも実部の絶対値が小さいような極がシステムの応答に強い影響を与える.かかる極を代表極と呼ぶ.
急に計算が増えてちょっと慌てちゃいました.
系の応答特性について.
系にある種の信号(ステップ信号やインパルス信号)を与えたときの応答が,十分な時間を経た後に一定値に収束するかどうか,収束するとしたらどのような値になるか,といった特性を定常特性と呼ぶ.また,初期値から収束に至るまでの応答の変化を過渡特性と呼ぶ.
特性に関する代表的な指標は以下の通り:
例として,1次遅れ系の特性について考える.伝達関数は一般に
で表されるが,このときステップ応答は
となる.したがって,が大きくなるほど速応性は低下する.特に,こうしたには時定数なる名前がついており,単位ステップ応答が定常値のに達するまでの時間を表している(として計算すればわかる).
また,伝達関数の分母の根であるは,ステップ応答のべき部分に現れていたりする.したがって,伝達関数の極が応答特性に影響を及ぼしていることがわかる.これについては第7講以降で詳しく扱う.
2年次の実験で時定数が出てきた記憶があるんですが,ここでようやく時定数の正体に迫ることができてやや感動的でした.