学業
7 月に大学編入学試験を控え,前半期はそれに忙殺されていた.結果としては,第一志望であった東京大学工学部に合格し,理想的な形で進路を決められることになった.受験に際して色々な形でお世話になった家族・教職員・友人・知人に感謝している.
編入試験に向けての半年間,これまでの人生でもっとも一生懸命勉強したように思う.4 年生の頃からの累計で 2,000 時間ほど勉強していたらしい*1.その結果が東大合格という目に見える形で表れたのはもちろん嬉しいが,それだけでなく,物理学や英語の知識が身についたのも有益だったと思う.特に電気磁気学に対する苦手意識を払拭できたのは大きいのではないか.
編入試験体験記は書くぞ書くぞと言いつつ結局書かずじまいだった.個人的な相談には乗るので,私に何かしら聞きたいという物好きがいれば Twitter あたりでコンタクトを取ってほしい.
8 月以降は,ある程度肩の力を抜きつつ,編入学後の学業・研究を見据え,理工学一般の基礎知識を固めることを目標として勉強した.具体的には,数学(代数学・線形代数学・集合と位相),コンピュータアーキテクチャ,暗号理論の基礎などを学んでいた.
また,10 月には数検 1 級にリベンジし,無事合格した.前回と同じくほとんど一夜漬けだったにもかかわらず合格できたのは,確率統計の大問を取れたからだと思う.数学の復習にもなってよかった.
読書
今年は漫画を読む頻度が激増した点で特筆すべき一年だった.というのも,1 月から 7 月にかけて編入対策に脳のリソースが割かれており,小難しい活字を読む気になれず,結果として小休憩のたびに読める漫画が主軸を担うことになったからだ.多分今年に入って読んだ漫画の総数は 200 冊を超えていると思う.
まずハマったのが『まちカドまぞく』と『ゆるゆり』で,受験勉強のストレスを解消するため両作品には大変お世話になった.
『うらら迷路帖』も全巻読んだが,キャラにせよ風景にせよイラストのクオリティが素晴らしく,個人的には結構ハマった.きらら系には珍しくストーリーがあるのも新鮮.
芳文社のセールで買った『こみっくがーるず』もなかなか良かった.かおす先生が少しずつ進歩していくのが感動的.
この並びで出すと違和感が強いものの個人的に楽しめたのが『孤独のグルメ』.ネットでコラ画像を作られている印象しかなかったが,実際読んでみると食事以外の描写が多く,五郎の失敗や雑念がたくさん描かれているのが面白かった.全体の 8 割ほどが店を探して歩き回る描写に費やされる回もある.ちなみに,主人公がアームロックをかける回もちゃんとある.
『野望の王国』は東大に受かったので(?)読んだ.普段こういう感じの漫画を読まないので,劇画調のタッチといい暴力的なストーリーといいかなり新鮮に感じた.結局引き込まれるようにして全巻読破した.個人的には露悪的なマッチョイズムには若干の嫌悪感を覚えなくもないが.
その他,『らき☆すた』や『けいおん!』のような古典に手を出したり,『メイドインアビス』を友人に勧められて借りて読んだりと,去年比でたくさん漫画を読んだ一年だった.一方で,読むジャンルが相変わらずきらら・百合姫の日常系からあまり出ておらず,変化がないとも言える.別に漫画に対する思い入れが強いわけでもないので,まあ変化がなくてもそれでいいんじゃないかとは思っている.
読んだ漫画の一覧(昨年から継続して読んでいるものも含む):
・『ゆるゆり』
・『まちカドまぞく』
・『スローループ』
・『うらら迷路帖』
・『こみっくがーるず』
・『あんハピ♪』
・『私を球場に連れてって!』
・『怜 -Toki-』
・『理系の人々』
・『孤独のグルメ』
・『ぽんこつポン子』
・『ぼっち・ざ・ろっく!』
・『メイドインアビス』
・『アズールレーン びそくぜんしんっ!』
・『お兄ちゃんはおしまい!』
・『キルミーベイベー』
・『きんいろモザイク』
・『けいおん!』
・『らき☆すた』
・『あいうら』
・『桜 Trick』
・『私に天使が舞い降りた!』
・『おちこぼれフルーツタルト』
・『大家さんは思春期!』
・『トモダチヅクリ』
・『野望の王国』
・『失踪日記』
・『アル中病棟』
・『女神のスプリンター』
・『グラップラー刃牙』
・『野原ひろし昼メシの流儀』
・『はるかなレシーブ』
・『私の百合はお仕事です!』
・『アニマエール!』
・『selector infected WIXOSS -Re/verse-』*2
・『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』
・『ご注文はうさぎですか?』
・『ゆゆ式』
・『GA 芸術科アートデザインクラス』
・『小森さんは断れない!』
・『ひだまりスケッチ』
活字の方は,1 月に 2 冊を勢いで読んだあとはほとんどノータッチのまま 7 月まで過ごした.編入試験が終わってからは,引越し前に積読を消化しておきたいこともあって比較的よく読んだ.
去年から積んであった『近代日本の政治家』は,岡義武だな~~という感じのいい一冊だった.原敬にやや批判的なあたりは自分と意見を異にするが.
『日本の地方議会』は,地方自治に興味が湧いてきたので,『日本の地方政府』とあわせて読んだ.地方議会の実情を実地調査とデータの両方から丁寧に説明した上で,議会制度の多様化という方向性を打ち出しており,かなり面白かった.同時に,自分の地方自治に関する知識がいかに薄弱だったかということも読んでいて痛感した.
『大衆の反逆』は卒研の指導教員に勧められて読んだ.前半の大衆論は,この方面の知識がない自分にとっては新鮮なものがあった.一方で後半の歴史哲学的な議論はうまくのみこめなかったように思う.
『イスラム飲酒紀行』は,成人を迎えて酒を飲むようになり,色々と興味が湧いてきたのでなんとなく手に取った.結果としては大当たりで,軽妙な語り口に引き込まれるようにして読んだ.個人的にルポの類が好きなのかもしれない.
読んだ活字の一覧:
・入江昭『日本の外交』
・美川圭『院政』
・志賀直哉『小僧の神様/城の崎にて』
・五味太郎『大人問題』
・岩淵悦太郎『悪文』
・吉田裕『日本人の歴史認識と東京裁判』
・城山三郎『落日燃ゆ』
・三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』
・三輪公忠『松岡洋右』
・丸山真男/加藤周一『翻訳と日本の近代』
・岡義武『転換期の大正』
・カミュ『異邦人』
・ジョン・W・ダワー『敗北を抱きしめて』
・岡義武『近代日本の政治家』
・小山俊樹『五・一五事件』
・辻陽『日本の地方議会』
・曽我謙悟『日本の地方政府』
・早野透『田中角栄』
・オルテガ『大衆の反逆』
・丸山真男『日本の思想』
・ノイマン『計算機と脳』
・金成隆一『ルポ トランプ王国』
・星新一『宇宙のあいさつ』
・吉村昭『総員起シ』
・デカルト『方法序説』
・広中一成『牟田口廉也 「愚将」はいかにして生み出されたのか』
・佐藤昭『私の田中角栄日記』
・林芳正/津村啓介『国会議員の仕事』
・荻野富士夫『特高警察』
・ロバート・ダニエルズ『ロシア共産党党内闘争史』
・岩瀬達哉『われ万死に値す』
・高野秀行『イスラム飲酒紀行』
・岩井忠熊『西園寺公望』
その他
今年は社会情勢も影響し,勉強と読書で日々を過ごす起伏のない一年だった.あまり遠出もしなかったように思う.そのため勉強のことと読んだ本のことしか書くことがないのだが,一応その他の事項についても触れておきたい.
卒業研究
今年は高専 5 年目の年だった.思えばあっという間の 5 年間だった.
当然だが卒業研究があり,編入試験終了後はそっちをずっとやっていた.専門の近い教員がいないため色々と難儀したが,一応自分なりに満足のいく成果が出たと言っていい.
大学でも同じテーマで研究を続けようかと思っていたが,最近はその考えも揺らぎつつある.必ずしも最初に選んだ研究対象に固執しなくてもよいのではないか,ということを教員に言われて,それもそうかと思ったので.
酒
9 月に成人し,以降酒を飲むようになった.はじめはウイスキーが多かったが,最近は日本酒をよく飲む.
自分ではそうでもないと思っているが,周りからは「飲む頻度が高すぎるから酒を控えたほうがよい」と忠告される.ある教員には『失踪日記 2 アル中病棟』という漫画を渡された.反面教師にしなさいということらしい.
部活
幽霊部員になった.パンデミックの影響もあるが,活動らしい活動はしていない.
運動
9 月から友人とランニングを始めた.当初は周囲に「もって 1 ヶ月」などと見くびられたが,反骨精神でコツコツ続けて今に至る.しかしそろそろしんどい.やめたい.