『大学編入試験問題 数学/徹底演習』の解答のちょっと怪しいとこ(別名:単位円ぐるぐる問題*1)について書きます.
に対して とおく. が で収束することを示せ.
(埼玉大理学部,一部改変)
この問題に対し,上掲書では d'Alembert の収束判定法を利用しています.
ここまではまあよいでしょう.問題はこの次です.上掲書の解答ではここから直接
としています.これはちょっと(というか相当)怪しいです.おそらく で とかを言いたかったのでしょうが, は単位円上の点なので, をどう動かそうとエンドレスに単位円をぐるぐるしつづけるだけで,収束しません*2.なにか約分っぽいことができたら話は別ですが.
対応
単純に上から抑えましょう.
が で収束することより, も同様の範囲で収束すると言えます.
所感
ふつうこんなミスがあるとはちょっと考えづらいので,あるいは私の読み間違いかもしれません.だとしても記述不足かなーと思います(行間を読む限りでは上に述べたような解釈しかできないので).
この問題について,最初に述べた(掲載されてた)解法で合ってるとか,もっといい解き方があるとか,何かしら知見のある方はコメントいただけるとうれしいです.