9歳からの唯物史観入門

はじめに

チマメ隊の足裏舐めたい

 

唯物論とは何か

そもそも「唯物史観」の「唯物」は,「唯物論」からきています.

ゆいぶつろん【唯物論

〘哲〙 物質を根本的実在とし、精神や意識をも物質に還元してとらえる考え。唯物論的思想は古代ギリシャ初期、中国・インドなどにも現れているが、近代以後では一八世紀フランスの機械的唯物論、一九世紀のマルクス弁証法唯物論などが代表的。マテリアリズム。

 大辞林 第三版

この意味わかるか?俺にはわからんわ

 

乱暴に言うと,こころ(精神)とモノ(物質)のうち,モノを重視する考え方が唯物論です.

特にマルクス主義の文脈で「唯物論」と言うときは,経済を重視するぞ~みたいな意味であることが多いです.

 

史観とは何か

歴史上のできごとを考えたり解釈したりするときの統一的な立場・考え方を指します.たとえばぼくが「世界はだいたい下半身で回っている」と考えたとします.すると,アクティウムの海戦はクレオパトラの美貌に嫉妬したオクタウィアヌスのちんぽ戦争だと考えることができますし,フランス革命マリー・アントワネットのシコさに興奮した市民たちの暴動とみなせます.

このように,「歴史上の(多くの)できごとはみな○○を背景として起きた」という見方を持ち込むことで,歴史を把握しやすくなったりします(ただし,弊害もかなりあります).

皇国史観のせいで○○史観というワードは悪印象を抱かれていると思いますが,唯物史観は良いやつなのでかわいがってあげてください.

 

つまり,唯物史観とは

歴史上のできごとを経済をベースに考え,解釈することです.

これを端的に象徴しているのが,『共産党宣言』にある以下の句です.

今日までのあらゆる社会の歴史は,階級闘争の歴史である.

 マルクス主義においては,経済(Basis,下部構造)が政治や文化(Überbau,上部構造)を規定すると考えられています.

唯物史観でみる歴史

唯物史観がいったいどういう意味なのかざっくり把握したところで,実際に唯物史観に立って歴史を眺めてみましょう.

 

中世

中世の社会では,労動による生産はとても小規模です.生産の成果物(たとえば農作物)はもっぱら自分で食べるためか「お上」に年貢として納めるため消費されました.これを誰かに商品として売るのは,生産がよほどうまくいき,たくさんの余りが出たときにかぎります.
この段階での政治体制は,封建的君主制です.すなわち,血縁関係をベースにした権力の継承が行われます.ここで重要なのが,この時点における生産的支配階級(封建君主や領主)にとって都合の良い体制として封建的君主制が選び取られたことです.マルクス主義的考え方では,その時々の支配階級の思想がすなわちその時々の国家的思想となります.

 

産業革命

ところが,産業革命が中世社会をぶちこわします.大規模な工場が都市に建てられ,地方に分散していた人口が集中するようになりました.大工場ができたことで,モノの生産は個人ではなく複数人で行われるようになります.つまり,生産が社会化したわけです.ところが,生産の成果物は個人である工場主に取得され,工場主によって個人的に交換(取引)されます.すなわち,社会的な生産←→個人的な取得と交換,という矛盾した構造が生まれてしまったわけです.

エンゲルスによれば,「この矛盾の内に現代の一切の衝突の萌芽が含まれている(原文傍点)」そうです.

矛盾の帰結として,労働者階級が発生します.産業革命前の社会でこぢんまりとした生産を行っていた小生産者・小農業労働者は,大規模に生産される商品に太刀打ちできなくなり,生計を立てるため大工場の労働者に堕してしまいます.かつて,労働は,自己の持つ生産手段に基づいて行われていました.ほとんどの農業従事者は,自らの土地を所持しており,いざとなればその土地から生産できる商品で十分食いつないでいけました.ところが,産業革命後の資本主義社会では,労働者は生産手段を何一つ持ちません.したがってこの労働者階級を無産階級と呼びます.かれらは労働により賃金を得ますが,その賃金はかれら自身の生活に必要な商品へと消化されます.そして,その商品を用い,ふたたび労働に必要な生命維持を行います.ここで,価値の収支はゼロです.生きるために労働し,労働するために生きます.

一方,資本家階級は,自己の資本を投じて商品を生産します.そしてこの商品を売って資本を得るわけですが,この商品には付加価値が存在します.すなわち,このサイクルの前後で,資本の総量が増加しているわけです.これが資本家と労働者の決定的な違いです.

 個々の資本家は,他の資本家との競争に打ち勝つため,生産を機械的に向上させる必要があります.これは一種の強制命令となります.かれらは絶え間なく生産量を増加させます.しかしながら,市場の拡大は商品の増加に追いつきません.ここにきて,需給のバランスが取れなくなります.
この不均衡を解決するのが恐慌です.恐慌は生産手段を破壊し,労働者階級を解雇します.そして生産と交換の関係に安定がもたらされ次第,ふたたび資本家による生産が活発化します.したがって恐慌は周期的に発生します

プロレタリア革命

書くのめんどくさくなったので端折りますが,産業革命後の資本主義の発展は矛盾を増大させ,やがて矛盾を解決するためのプロレタリア革命が発生します.

 

おわりに

たぶん,おれ,ちゃんとした文章書くの向いてない

(追記)「中折れ」と言われました.簡にして要を得ていますね.