2年くらい経ったし,漢検準1級をもう一度解いてみる

はじめに

2年前のいまごろ,漢検準1級に合格しました(参照*1.今年もそろそろ第1回試験の合格発表がある模様です.

人間である以上致し方ないことですが,受験当時覚えていたことは時が経つにつれ段々と忘れていきます.ふと,自分は今どのくらい漢字を覚えてるんだろう,と気になったので,実際に問題を解いてみました.使用したのは 漢検協会が公開している過去問題 です.平成30年度第1回試験,つまり自分が受検した1年あとの問題ですね.著作権的にどこまでセーフなのかわからないので,問題や解答は直接掲載せず,結果だけ書いていきます.

結果

大問順に分けています.

  1. 読み……23 / 30
  2. 表外の読み……7 / 10
  3. 熟語の読み・一字訓読み……9 / 10
  4. 共通の漢字……10 / 10
  5. 書き取り……28 / 40
  6. 誤字訂正……4 / 10
  7. 四字熟語…… 書き 12 / 20,意味と読み 6 / 10
  8. 対義語・類義語……12 / 20
  9. 故事・諺……8 / 20
  10. 文章題……書き 4 / 10,読み……8 / 10

総合:131 / 200

感想

見ての通り,惨憺たる結果です.特に書き取りが悲惨.準1級の合格ボーダーは160点前後なので,よほどのことがない限りアウトでしょう.

枇杷」「夙夜」なんかは頻出ということで受検当時覚えてたはずなんですが,ズタボロでした.解答を見て「あーーーーーーーー見覚えある」ってなりました.

読み取りは学習内容を忘れてても部首や文脈から音を類推することができますが,書き取りはそうもいきません.2年前もそうだったんですが,「結構よく見かける漢字なのに形が思い出せない……><」という状態によく陥りました.普段あまりペンを握らない情報系高専生の悲しいところで,IME に漢字の形状を覚えてもらってる弊害がこういうところで出ます.4. 共通の漢字が例外的に満点なのは出題がやたら簡単だったからです.おそらく去年同じ試験を受けた人も4.についてはだいたい同じ感想でしょう.

とはいえ,全滅というわけでもないのが救いです.一応多少は書ける漢字が残っていましたし,解きながら「これ結構行けるのでは」などと思ってました.まあ,2年間というブランクを考慮したら妥当な点数ではないでしょうか.

取得の後日談

ついでなので,準1級を取ったことによる恩恵について少し語ります.

漢検は2級まで取れば十分.それ以降は日常生活とはほぼ関係ない」とよく言われますが,それは割と本当です.日常で「我が廟堂諸公の心地如何に公明なればとて其の議士を視るや……」みたいなことを言ってる人間がいたらちょっとキモいと思います.

それでも,漢検準1級レベルの漢字が登場するシーンもわずかながらありました.たとえば,ぼくは割と夏目漱石森鴎外を好んで読むんですが,この手の文豪の書く文章には難読語が頻出します.この辺をスラスラ読めるのはちょっとした嬉しさです.あと,いきなり漢字クイズを出題してくる友人にもサラッと応対できます*2

それから,話のタネにもなります*3漢検を取ろうとする物好きの中でも準1級を受検するような人間はかなり少ないですし,あまつさえ高専などという理系の世界に住んでいればそういった人間は基本ほぼ見つかりません.履歴書の添削なんかをしてもらってるとき「えー,漢検準1級持ってるんだ,すごい」とか言われます.へへーん.

あとは全然思い浮かびませんね.繰り返しますが,日常生活にはあんまり役立たない資格です.恩恵のことを考えず,趣味と思って受検するのがいいと思います.

2級も解いてみた

準1級がボロボロすぎて悔しかったので2級も解いてみました.同じく平成30年度第1回バージョンです.

  1. 読み……30 / 30
  2. 部首……7 / 10
  3. 熟語の構成……18 / 20
  4. 四字熟語…… 書き 18 / 20,意味 10 / 10
  5. 対義語・類義語……20 / 20
  6. 同音・同訓異字……20 / 20
  7. 誤字訂正……10 / 10
  8. 漢字と送りがな……10 / 10
  9. 書き取り……46 / 50

総合:189 / 200

まあ2級は日常生活でもよく見る漢字ばかり出題されるので,こんなところでしょう.出題範囲は高校卒業程度ということで,そこまで理不尽な難易度ではないので,皆さんも一度解いてみてください.

*1:このエントリを書いたときはまだ2年生でした.あの頃に戻りたい.

*2:彼らは往々にしてスマホを手に持っており,インターネットの力をフルに活用してしてくるのに,解答者にはスマホの使用を絶対許しません.ずるい.

*3:「話のタネ」にはなりますが,そこから話が広がるかはコミュ力の問題です.