はじめての制御工学:第12講

内容

ボード線図と周波数伝達関数について.

高次の伝達関数について,部分分数分解をほどこして個別に周波数特性を求めてから合成してもともとの周波数特性を求められる.

2次遅れ系ではゲイン K = 1でもゲイン線図が 0デシベルを超えることがある.これを共振と呼ぶ.

ゲインが -3デシベルに達する周波数をバンド幅と呼び,系の入力追従特性の指標となる.

ステップ応答について考える.ステップ応答は(Fourier 変換を見ることで明らかに)無限の周波数成分を含んでいる.高周波数帯域についてはゲインが負となるため,ステップ応答はすぐさま1に収束することなく(ステップ信号と同一でなく),適当な時間を経たのちに収束する.

系の伝達関数 G(s)がわかっている場合, G(i \omega)なる関数を周波数伝達関数と呼ぶ.周波数伝達関数の大きさはゲインと関係し,偏角は位相差を表す.したがって,周波数伝達関数を見ることで系の周波数特性を分析できる.

周波数伝達関数 \omegaを変数とする複素平面上のベクトルと見なせるから, \omega 0から \inftyまで変化させたときにベクトルがどう動くかを考えると周波数特性の分析に役立つ.ベクトルの軌跡を(そのまんま)ベクトル軌跡と呼ぶ.ベクトル軌跡もボード線図と同じく周波数特性を表す図だが,一つの図に大きさと偏角を同時に描きこめるのが利点である.

感想

大遅刻ですね.ごめんなさい.2日も空いてしまいました.

追記

 G(s) s = i \omegaを代入しているのは,要するに Laplace 変換のかわりに Fourier 変換をしているのに等しいです.通常 Fourier 変換は積分範囲を \mathbb{R}全体で取りますが,入力信号が t \lt 0 0となることから正実数全体での積分である Laplace 変換に機械的に代入することが正当化されます.